これら4つのAM4コンボで2026年まで快適にゲームを楽しむ方法
AM4はAMDの主要プラットフォームであり、2023年時点でZen 3を搭載したRyzen 5000シリーズが登場したことで、ゲーム性能が大幅に向上しました。これら4つのAM4コンボを活用すれば、2026年に入っても1080p/1440pで快適なフレームレートを確保できることが、最新のベンチマークと業界の予測データから明らかです。以下では、AM4を最大限に活かすための技術的洞察と実践的手順を詳細に解説します。
AM4プラットフォームの現状と将来性
- CPU世代:Ryzen 3000/5000(Zen 2/Zen 3)
- チップセット:B350、B450、B550、X370、X470、X570
- PCIe規格:PCIe 4.0(B550以降)
- メモリ:DDR4 3200‑3600MHzが推奨
- BIOSサポート:2026年までの更新が公開されており、Ryzen 5000シリーズの互換性が維持される見込み
AMDは公式に、AM4マザーボードのBIOSを2026年まで更新し、Ryzen 5000シリーズをサポートすると発表しています。これにより、既存のAM4ハードウェアをそのまま利用しつつ、最新ゲームへの適応が可能になります。
Ryzen 5000シリーズの性能指標
| CPUモデル | コア/スレッド | ベースクロック | ブースト | シングルスレッドスコア(Cinebench R23) | メモリ帯域(DDR4-3600) |
|---|---|---|---|---|---|
| Ryzen 5 5600X | 6/12 | 3.7 GHz | 4.6 GHz | 1900 | 27.0 GB/s |
| Ryzen 7 5800X | 8/16 | 3.8 GHz | 4.7 GHz | 2100 | 28.0 GB/s |
| Ryzen 5 3600 | 6/12 | 3.6 GHz | 4.2 GHz | 1350 | 26.0 GB/s |
| Ryzen 3 3100 | 4/8 | 3.6 GHz | 3.8 GHz | 950 | 23.0 GB/s |
シングルスレッド性能がIntel 13th Genとほぼ同等であること、さらにマルチスレッドでの処理能力が高いことから、ゲームのCPU負荷が大きいタイトルでも安定したフレームレートが期待できます。さらに、FSR 2.0やDLSS 3.0といったスーパーレゾリューション技術が普及し、GPUに対する負荷を軽減しています。
4つの最適AM4コンボ
| コンボ | CPU | GPU | 推奨設定 | 主なゲーム例 | コスト(参考) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Ryzen 5 5600X | Radeon RX 6700 XT | 1080p 1440p | Elden Ring / Cyberpunk 2077 | 68,000 円 |
| 2 | Ryzen 7 5800X | NVIDIA RTX 3060 Ti | 1440p 中高設定 | Fortnite / Apex Legends | 82,000 円 |
| 3 | Ryzen 5 3600 | NVIDIA RTX 2060 Super | 1080p エピック | Call of Duty: Warzone | 55,000 円 |
| 4 | Ryzen 3 3100 | Radeon RX 5600 XT | 1080p 高設定 | League of Legends | 42,000 円 |
コンボ1:Ryzen 5 5600X + Radeon RX 6700 XT
- フレームレート:『Elden Ring』1080pで120FPS、1440pで85FPS。
- レイトレーシング:FSR 2.0で約30%のフレームレート回復。
- コストパフォーマンス:1080pで120FPSを達成しつつ、将来的なGPUアップグレードの余地が大きい。
コンボ2:Ryzen 7 5800X + NVIDIA RTX 3060 Ti
- DLSS 3.0:『Fortnite』1080pで180FPS(DLSS有効時)。
- マルチタスク:同時に録画・配信を行う際もフレームレートが安定。
- 長期耐久性:RTX 3060 Tiは2026年までに十分な性能を保持。
コンボ3:Ryzen 5 3600 + NVIDIA RTX 2060 Super
- エントリーレベル:1080pで平均105FPS。
- BIOSアップデート:Ryzen 5000シリーズとの互換性を保ちつつ、古いマザーボードで動作可能。
- 経済性:低価格で高いゲーム性能を実現。
コンボ4:Ryzen 3 3100 + Radeon RX 5600 XT
- コスト最適化:42,000 円で1080pにおける120FPSを保証。
- FSR 2.0:1440pでも約55%の性能向上。
- 初心者向け:組み立てやすさと拡張性が高い。
2023‑2026年性能予測モデル
| 年 | シングルスレッド(Cinebench R23) | GPU(3DMark Time Spy) | FSR/DLSS効率 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1900 | 8500 | 28% |
| 2024 | 1950 | 9000 | 32% |
| 2025 | 2000 | 9500 | 35% |
| 2026 | 2050 | 10 000 | 38% |
AMDのAMD Performance Roadmapにより、CPUは年間約1.5%、GPUは約3%の性能向上が見込まれています。この成長率をもとに、4つのAM4コンボは2026年においても1080pで120FPS以上、1440pで70FPS以上を維持することが予測されます。さらに、DLSS 3.0やFSR 2.2の進化により、レイトレーシングタイトルでも十分なフレームレートが期待できるため、AM4は未来に向けた安全な選択肢であることが示唆されます。
実践的ビルドガイド
| ステップ | 推奨項目 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1. 電源 | 650W 80+ Gold | 550Wでも十分だが、将来のGPUアップグレードを想定して余裕を持たせる。 |
| 2. 冷却 | 360 mm AIO水冷 | Ryzen 5 5600X/5800XはTDP 65/105 W。水冷は安定したオーバークロックを可能にする。 |
| 3. メモリ | DDR4‑3600 CL16×2 | 16 GBで十分だが、4 GB追加で総量24 GBにすると将来性が向上。 |
| 4. ストレージ | 1 TB NVMe SSD + 4 TB HDD | NVMeでロード時間を削減、HDDで大容量データ保管。 |
| 5. マザーボード | B550/X570 | BIOSアップデートが確実に行えるモデルを選択。 |
| 6. GPU | 先述のコンボに合わせて選定 | 価格帯と性能をバランスさせる。 |
| 7. ケース | 通風性能重視 | 大型ファン2枚配置で温度低減。 |
| 8. BIOS設定 | オーバークロック用設定 | 必要に応じてVDDC/VDDGを上げ、安定性を確認。 |
将来への備え:AM5への移行
- AM5はDDR5とPCIe 5.0をサポートし、2024年末に正式リリース予定。AM4はBIOSアップデートで2026年までサポートされるため、短期的にはAM4で十分。
- 将来的にAM5に移行する場合は、CPU、マザーボード、メモリ、電源を同時にアップグレードする必要がある。
- AM4でのGPUアップグレードは2026年まで十分に有効であるため、中長期的なコスト削減につながる。
キー・テイクアウェイ
- AM4は2026年まで有効:BIOSが更新され、Ryzen 5000シリーズをサポート。
- 4つのコンボは1080p/1440pで安定した高フレームレートを保証。
- FSR 2.0/DLSS 3.0によりレイトレーシング負荷が軽減。
- 実践的なビルドガイドは電源・冷却・メモリ・ストレージの最適化を示唆。
- 将来性はAM5へ移行する前にAM4で十分に楽しめるという点にある。
まとめ
これら4つのAM4コンボは、2026年までにゲーム環境を安定して保つための最適な選択肢です。AMDのAM4 BIOSサポートの延長と、Ryzen 5000シリーズの高いシングルスレッド性能、さらにFSR 2.0/DLSS 3.0のスーパーレゾリューション技術が合わさることで、高解像度・高フレームレートのゲーム体験を実現します。もし既にAM4ベースのハードウェアをお持ちの場合は、BIOS更新と必要な周辺機器のアップグレードだけで、2026年まで快適にゲーミングが可能です。新規購入を検討している方も、Ryzen 5 5600X + RX 6700 XTやRyzen 7 5800X + RTX 3060 Tiなどのコンボを選択すれば、コストパフォーマンスと長期的な価値を最大限に活かせます。
参考文献
- XDA Developers – AM4コンボの長期活用
- AMD Official – Ryzen 5000 Series Benchmarks
- TechRadar – AMD AM4 platform review